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井原 均; 山本 洋一
第13回核物質管理学会日本支部年次大会論文集, p.20 - 27, 1992/06
近年、ヨーロッパ諸国において開発され、ロス及びゲインの探知能力が優れていると言われている手法に、GEMUFテスト、MUF残差に対するページテスト及びTruncated CUMUFテストがある。これらの手法について、当研究室で開発したMUF共分散マトリックスから計算したこれらの統計量に対する検定結果及び計算方法を紹介する。GEMUFテストは、IAEAが東海再処理工場やプルトニウム加工施設に対して、中間在庫検認データに基づく時系列MUFの統計解析に適用を考えている手法である。これらの統計検定と米国で開発された統計解析手法について、ロス及びゲインの探知力の比較検討を行うと共に、これらの手法の特性を明らかにする。また、これらの手法で用いられる判定基準のモンテカルロ・シミュレーションによる計算方法とその結果について報告する。
西村 秀夫
第13回核物質管理学会日本支部年次大会論文集, p.12 - 19, 1992/06
イラクの核不拡散条約違反の問題は、一面では、IAEA保障措置の欠陥を露呈するものであった。すなわち、非申告原子力施設及び非申告核物質による核爆発装置の開発が進行していた事実を全く探知できなかったことである。IAEAでは、この欠陥を改善すべく、特別査察の活用等によりIAEA保障措置を強化することが検討されている。一方、IAEA保障措置実施のための資源は、これ以上の増加を許されない厳しい状況にあり、新たな活動を始めるには、IAEA保障措置の大幅な効率化が求められている。このような困難な事態の打開に資するため、本報告では、非申告原子力施設等を含む全ての核燃料サイクルを念頭に転用経路分析を行い、転用探知の観点から、特別査察と通常査察に期待される転用探知力について分析し、在来の保障措置がどのように効率化できるのかを検討する。